
自分の土地でテント泊。たった一人、たった一日で作り上げるキャンプサイト
土地を探し始める当時、まず先に理想の土地とは?というのを整理しました。
人によって異なると思いますが、私の場合はこんな感じというのをご紹介します。
読む人が読むと笑っちゃうような理想ですが、あくまで理想なので温かい目で見てください。
どこらへんにキャンプ場を作るかをまず決めて、おおよそのエリアを絞ります。
説明不要
普通は川沿いのキャンプ場とか喜ばれますが、増水とか氾濫とかが怖いし、子供が流されて・・・みたいな事故もたまに耳にします。少し離れた歩いて行けるくらいの距離に川があると個人的には最高です。
私が温泉好きというのもありますが、せっかく車で遠出するんだから自然で心を癒されつつ、温泉で体も癒しせたら最高かと。
インター降りてから1時間以上かかるキャンプ場って、私はけっこう避けちゃいます。長い長い高速のあと、長い長い一般道・・・運転手けっこうきつい。
「オートキャンプ白書2020」を読むと、世のキャンパー様方はお住まいからキャンプ場まで平均3時間(休憩含む)かけているとのこと。
休憩入れて3時間ということは、実質2時間。なので首都圏から2時間以内と設定しました。
私の場合、仕事の休みを使ってキャンプ場を作るので、毎週のように通うなら2時間が限界。高速料金とガソリン代もバカにならないですし。
説明不要。まだ死にたくない。
以下のサイトで簡単に調べられます。
外部リンク:ハザードマップポータルサイト
以上の内容から、那須塩原市にしました。 ほかにも候補になるエリアはありますが、私が住んでいるところから 東北自動車道1本ですぐ行けるのが決め手でした。
購入する土地自体の条件。インフラ関係、広さ、値段に関する理想です。
(本当の理想は、東京ドーム3個分くらいのインフラが整ってるタダの土地)
自然豊かな場所はだいたいどちらもないです。あっても市街化区域だったり、周りに民家が多数あります。
最悪以下でなんとかなるので、理想の土地が見つからない場合の妥協点候補としてください。
上水道 → 井戸を掘る
下水道 → 浄化槽を設置する
ただ、どちらも結構なお金かかりるので要注意です。自治体によっては補助金でるので、土地が見つかったら調べてみてください。
参考ですが、私が土地を買った那須塩原市では浄化槽設置の補助金が出ます。ただし、住民票が那須塩原市にないとダメ&住居用のみ(事業用では使えない)という条件があります。つまり、私は使えません。くっ。
これ必須です。売りに出てる土地の中には、道なき道を徒歩で行かないと辿り着けないところが多々あります。めちゃ安いんですがだいたい売れ残ってます。
頑張って道を作ることも不可能ではないですが。道を作る場所が人様の土地だったりで交渉が難しいです。というかそもそも持ち主が見つからないケースがほとんどだと思います。ほぼ無理ゲーです。
交渉に成功しても、費用がとんでもなくかかります。その分の費用でより条件のよい別の土地を買った方が良いです。
ご承知の通り、電気が無くてもキャンプはできますが 管理棟とかトイレ棟には無いとつらいでしょ。
今は通ってなくても、近くに電線があるなら電力会社に連絡して繋げてくれるらしいです。私の土地も現時点ではないので電力会社に連絡する予定です。条件として「居住する家の建築が必須」とか「住民票が現地にないとダメ」とかあるかもしれませんが、現実を知るのが怖くてまだ調べてないです・・・先に調べればよかったと後悔してます。
現代人に必要なのは「電波」と「遊び心」です。
3,000坪とは、約10,000㎡(1ヘクタール)です。
縦100m×横100mとすると、だいたい学校の校庭くらいかな。(もちろん学校にもよるけど)
なぜ3,000坪かというと、単純計算で10m×10mのキャンプサイトを100サイト作れるからです。 管理棟や広場、場内の道路を考慮してもだいたい80サイトは作れます。
過去にシミュレーションしたんですが、キャンプ場の運営だけで食べていこうと思うと最低でも80サイトは無いとつらそうでした。(運営シミュレーションについては、後日まとめるつもりです)
80サイトとはいうものの。すでに購入済みの私の土地は830坪しかありません。なのでキャンプ経営一本では到底生きていけません。 なので、私の場合は「自分の遊び場 兼 趣味のキャンプ場経営」ということになります。
融資を受けてキャンプ場運営を始める方は全く関係ない数字ですが、私は本業にはしないので融資は受けない方針です。初期投資を極力減らしたいのでこの額です。これでも高いと思ってます。
ちなみに、理想の土地を買うには全くと言っていいほど300万じゃ届きません。3,000坪買うなら少なくとも1,000万は欲しいところです。300万とか不動産屋さんに鼻で笑われる金額です。
しかし、笑われても良いから理想を求めましょう。だって何があるかわからないし。 キャンプ好きの地主様が激安で譲ってくれるかもしれないし。
好きな場所に勝手にキャンプ場作ったらダメらしいですよ。みんなの地球なのにね。
とはいえ、法律に違反すると捕まるので従います。
地目とは、ズバリ「なんの用途に使う土地」かを表しています。キャンプ場の場合、「山林」一択で良いと思ってます。以下は参考までに。
山とか森とかは、だいたい文字通り「山林」です。安い。広い。建物が建てられる。
草原ってか空き地みたいなイメージなのかと。あんまり売ってないです。あってもそこまで広くないし、平坦な場所が多いので値段も山林に比べて高い傾向にあります。建物は建てられます。
家やお店を建てるための土地です。市街地なので値段も高いですし売ってても狭いです。
農家しか買えません。建物も建てられません。地目変更って技もありますが、もともとそこに住んでる人が自分の土地にもう一軒建てたい。とかじゃないと変更できません。変更できても変更後の地目はほぼ「宅地」。
どれにも分類されない土地。駐車場とかが雑種地だったりするかな。物件数が少ないし、あっても狭いことが多いです。いちおう建物は建てられます。
読み進むと 「特定工作物」 という言葉がでてきます。「特定工作物」だと「都市計画法における開発行為」になるので、都道府県知事の許可が必要になってきます。
「キャンプ場は特定工作物とは言えない」という解釈をしているサイトや自治体もあります。その場合、どれだけ広くてもキャンプ場を作る行為は「都市計画法における開発行為ではない」ので、都市計画法に一切縛られません。最高です!
ただ、私は「キャンプ場は特定工作物とは言えない」という根拠となる法令を見つけることができなかったし、「特定工作物じゃないから開発行為ではない、ゆえに都市計画法の範囲外」という解釈がいささか乱暴に思えたので、このブログではあえて 「(1ha以上の)キャンプ場は特定工作物である」という解釈で話を進めていきます。 この解釈が違った場合は逆にラッキーなので、あえてキツイ解釈でいきます。
最初に私のおすすめ土地パターンをご紹介します。
<キャンプ場開発>
1ha未満なら許可不要です。(他のサイトとか見ると3,000㎡って書いてるけど?と思われるかもしれませんが、1ha未満のキャンプ場は「特定工作物」ではないので都市計画法に縛られません。)ただし、山林を伐採伐根する場合、「許可」は不要ですが「申請」は必要です。
<建物を建てる>
都市計画区域内なので「建築確認」が必要です。
<周辺>
自然があるけど市街地よりなので、お店や高速インターが割と近い傾向にあります。
<キャンプ場開発>
1ha未満なら許可不要です。1ha以上だと都道府県知事の許可が必要になってきます。ただし、山林を伐採伐根する場合、「許可」は不要ですが「申請」は必要です。
<建物を建てる>
「建築確認申請」は不要です。ただし、「工事届」は必要です。
<周辺>
自然が豊富だけど、お店や高速インターからは遠い傾向にあります。その代わり安いです。
正直、上記だけ分かっていれば、ここから下は読む必要はあまりないです。
・・・が!せっかく当時色々調べたので記録として残します。
都市計画法について分かりやすく図にしてみました。あくまで私の理解の図です。本職の方が見たら「ちっがーーう!」ってなるかもしれないのでご承知を・・・
<都市計画法がなんとなくわかっちゃう図>
<都市計画法の区域>
都市計画区域外
┗準都市計画区域
都市計画区域
┗市街化区域
┗市街化調整区域
┗非線引き区域
図の中で規制について触れてます。「規制ガチガチ」だとキャンプ場を作れないの?と見えちゃうかもしれませんが安心してください。いくつかの条件を満たせば、そこが例え都市計画区域内であってもキャンプ場を具現化できます!盗賊の極意(スキルハンター)より簡単な条件です。
図だけだと、なんとなくしか分からないと思うので、都市計画法についてざっくりと説明します。
おすすめパターンの2です。
自治体からすると
「ここに街は作らないからテキトーに好きに使っていいよー。あっ。でも許可とって欲しいことも少しはあるよ」
というエリア。さすがに勝手に原子炉とか作ると怒られます。(特に住民に)
建物は基本的に建築申請なしで作れますし、1ha未満のキャンプ場なら開発許可もいりません。1ha以上でも許可は基本取れるんじゃないかと。なのでキャンプも管理棟も余裕で作れます!一番作りやすいです。
都市計画区域外の中にあるエリアで
「そのうち都市計画区域にするかもなぁ。だから、ガッチリ規制しとかないなぁー」
というエリア。日本の国土の1%程度しかないのでほぼ無視して良いかと思います。 ちなみに、1ha未満であれば許可をもらってキャンプは作れます。ですが、基本的には将来の都市計画区域候補として「守られたエリア」であるため色々と規制が強いです。
自治体が
「この範囲を我が街として育てる!シムシティじゃ!」
と言ってるエリアのこと。都市計画区域の中には、さらに3つの区域に分かれます。それについては後述しますが、先に申し上げると。
都市計画区域内にキャンプ場は作れます!
以下が私の根拠です。
都市計画法 第二十九条
都市計画区域又は準都市計画区域内において開発行為をしようとする者は、あらかじめ、国土交 通省令で定めるところにより、都道府県知事(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市又は同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「指定都市等」という。)の区域内にあつては、当該指定都市等の長。以下この節において同じ。)の許可を受けなければならない。ただし、次に掲げる開発行為については、この限りでない。引用:e-GOV法令検索
つまり、都市計画区域で「開発行為」をするには許可がいるよ。と謳ってる。
では「開発行為」とは?
都市計画法 第四条十二項
この法律において「開発行為」とは、主として建築物の建築又は特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更をいう。引用:e-GOV法令検索
建築物の話はいったん置いといて「特定工作物」とは何かと言うと
都市計画法 第四条十一項
この法律において「特定工作物」とは、コンクリートプラントその他周辺の地域の環境の悪化をもたらすおそれがある工作物で政令で定めるもの(以下「第一種特定工作物」という。)又はゴルフコースその他大規模な工作物で政令で定めるもの(以下「第二種特定工作物」という。)をいう。引用:e-GOV法令検索
大規模な工作物〜?
都市計画法施工令 第一条ニ項
法第四条第十一項の大規模な工作物で政令で定めるものは、次に掲げるもので、その規模が一ヘクタール以上のものとする。
一 野球場、庭球場、陸上競技場、遊園地、動物園その他の運動・レジャー施設である工作物(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(大学を除く。)引用:e-GOV法令検索
要するに
1ha(10,000㎡または約3,000坪)未満のキャンプ場であれば、それは「特定工作物ではない」ので、都市計画区域内であっても許可不要で作れます。
でも、そうは問屋が卸しません。
どう卸さないかは後述します。先に都市計画区域内の分類について説明します。
自治体からすると
「ここが街の中心部!ここを発展させて街を盛り上げるのじゃ!メトロポリスじゃ!」
という熱い思い入れのあるエリア。家とか店とか学校とか公園とか駅とか会社とかバンバン作ってもいいよ!って場所。
キャンプ場はというと。前述したとおり1ha未満ならオッケーです! ただ、地目もほぼ宅地だし、駅や学校に近いのでキャンプ場には向きません。そしてお値段がめっちゃ高いです。(どこの都道府県市区町村かにもよるけど)
「インフラ整備とか全然追いつかないから、この範囲には建物作らないでね。あと市街化区域の周りに自然とか残したいし。空気読んでください。」
というエリア。はい!ここです!この「市街化調整区域」が厄介です!
ここも前述した通り1ha未満ならキャンプ場は作れます。ただし建築物を建築しちゃダメなんです。
何が言いたいかと言うと。
「管理棟とかトイレ棟とかシャワー棟は作れない」ということです。許可されたら作れますが、基本的に許可されないみたいです。
許可される例としては、市街化調整区域になる前からそこに住んでたネイティブ住民であること。とかです。なのでこれから土地買ってどうこうしたいという人は基本無理。
だが、しかし!
都市計画法にこんな一文がありました。
都市計画法 第三十四条
前条の規定にかかわらず、市街化調整区域に係る開発行為(主として第二種特定工作物の建設の用に供する目的で行う開発行為を除く。)については、当該申請に係る開発行為及びその申請の手続が同条に定める要件に該当するほか、当該申請に係る開発行為が次の各号のいずれかに該当すると認める場合でなければ、都道府県知事は、開発許可をしてはならない。引用:e-GOV法令検索
第二種特定工作物の建設の用に供する目的で行う開発行為を除く!
1ha未満のキャンプ場は、第二種特定工作物ではありません。
1ha以上のキャンプ場が第二種特定工作物です。
つまり、1ha以上のキャンプ場を作る場合には、管理棟もトイレ棟もシャワー棟も作って良いってことです。(都市計画区域内なので建築確認は必要)
都市計画区域内に1ha以上のキャンプ場を作るには都道府県知事の許可が要りますが、このハードルの高さを私は知りません。先ほど引用した一文に「第二種特定工作物の建設の用に供する目的で行う開発行為を除く」なんて言ってるくらいだから、実は戦えるレベルなんじゃないかと思ってます。
さらに朗報ですが
1ha未満でもあっても管理棟にトレーラーハウスを使うのであればセーフです。なぜならトレーラーハウスは建物ではないので。
トレーラーハウスを上下水道につなげちゃうと建物扱いされるかもしれませんが、今土地をお持ちの方で市街化調整区域だからキャンプ場は諦めてます。という人もひょっとしたらトレーラーハウスというジョーカーが使えるかもしれません。
おすすめパターンの1です。
市街化区域でもない、市街化調整区域でもないグレーゾーンです。なんでこんなエリアがあるかというと、地方の小都市などは市街地とそれ以外の境界が曖昧だからです。
つまり
~ 町の偉い人の心の声 ~
山林付近や田畑の周りにすでにポツポツ家とか店があるし、今更「市街化調整区域」にするのもなぁ。かといって駅からも遠いし、「市街化区域」にするにはインフラ整備するお金も足りないしなぁ。。。
よし!保留(非線引き区域)で!
ちなみに「用途地域未指定」というのは、何を作ってもいいよ。という意味です。宅地とかだと「第一種低層住宅地域」とかって用途が決められてます。非線引き区域も用途を決められてることがありますが、そういった土地は避けましょう。
ぶっちゃけ一番のおすすめはこれです。自然があるのにお店もインターも割と近いです。
ちなみに、私の土地はこれ。
都市計画区域内の土地を買った場合のみ気にしないといけないことです。都市計画区域外だったら無視でよいです。
建物を建てるには、緊急車輌が通れる幅のある「道路交通法上の道路」に面してないとダメなんです。具体的には、その土地が幅4m以上の道路に2m以上接している必要があります。
「道路交通法上の道路」とはその名の通りなんですが、たとえ人の目で見て明らかに「道路だ!幅もあって緊急車輌も通れる!」と思っても実は「道路交通法上の道路」でないことがあります。
そこが「みなし道路」(道路交通法上の道路じゃないけど、建築基準法上は道路とみなしてもオッケーよん)であれば大丈夫ですが、そうでない可能性もあります。ここらへんは地図みてもわからないし、土地を購入する不動産屋さんか役所の人に直接聞いた方が確実です。
まとめると「条件多すぎてすべてに合致する土地なんか絶対に見つからない」です。
(さらに言うと、実はもっと条件はあります。食材やお酒を買えるお店が近いとか、近くに住宅がないとか、夜空がきれいとか、放射性物質による汚染がどうのとか・・・ あげていくときりがないです。)
何を削って何を残すかをしっかりと考える必要があります。 特に法的な条件は一切削れないし、買ってから気がついても後のカーニバルなのでしっかり調べる必要があります。
ちなみに、私は以下の流れで探しました。
次回は、この土地探しの方法について詳細にお伝えしたいと思います。
法的な条件のところは、専門家でもなんでもない私が独自に調べた内容なので、誤りがあるかも知れません。どうか広き心で。。。